血は立ったまま眠っているっていう芝居

故寺山修司さんの原作を同い年の蜷川幸雄さんが演出。
安保闘争華やかかりし60年代を舞台に、狂喜乱舞する底辺の人々を描きました。開演前、前方の扉が開かれ、外の景色が見える。赤旗を振り回した集団が走り込んできて、扉は閉まる。我々は50年前の世界へと連れ去られます。
舞台上は薄汚れた便器やドラム缶が並び、雑然としています。何やら怪しい商売を企む人々と、破壊活動に精を出す男2人。彼らが交互に舞台へ。まともな人間なんて1人もいやしません。うっ積した思いを雄叫びのように発しては、狂ったように踊ります。たとえ会話が成立していなくても、あの時代の人々の高揚感ともいえる熱気はひしひしと伝わってきます。舞台転換時に狂ったように走り回る競争馬やブルースの生演奏も、時代を象徴しているのでしょう。
ラスト、前方の扉が再び開き、登場人物たちはそこから去っていきます。夢のような2時間半が終わり、私達は現実へと戻されます。